揺れるカーテン。 沢山の房が風にそよぎ、気というものが沸き立つ高貴な薄紫。上の素描は雨の日。下の素描は晴天。はっきり見えないもの、見えるもの、対比が面白いが、私は、雨に煙る様な感じに不思議さや美しさを感じる。私の睫毛に霧雨の粒がいっぱいたまっていた。 スポンサーサイト
藤香の頃。 今年は一週間早めに大藤が開花した。むせ返る様な甘い香りが充満する。風に揺らぎ薄紫のカーテンの様でもあり、幽霊の様にも見える。大小の蜂が香りにつられブンブンと集まって、不思議な気分になる。どちらが天使でどちらが悪魔なのか・・・そんな気分になって来る自分。天使か悪魔か・・・残り香を持って、夜、私はその感覚に一体化する。
庭に来た子(愛しきものよ!)。 今はもう離れし我が庭に、遊びに来ていた野良猫ちゃん。小さくても全身が野生のアンテナを立てて!。生き生きしていて愛しい命として私は捉えた。私は花でも動物でも、品種に拘らない。いかにも高級そうなものの中に嘘が観え、一見それとは反対の中に真実が在るからである。
炎。 珍しい品種のチューリップである。是を始めて観たのは、もう20年も前。京都勉強中訪れた河井寛治朗記念館・・洒落たガラスのコップに一輪、照明を控えた寂びた京壁の前に生けて在った。驚いた!。炎に観えた。その後このチューリップが気になり観察したくて、球根を必死で探し手に入れて咲かせ、スケッチを繰り返した。何年たとうと、自分の心に、脳に入った感動は、長い年月を経ても画面に出るのである。